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地図記号は暗記しない?!

  • 執筆者の写真: 勝憲 前島
    勝憲 前島
  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

 皆さんは小学生や中学生の時に地図記号を暗記したことがあるでしょうか。テレビのクイズ番組でも地図記号の問題が出る時がありますよね。ということは、地図記号には法的な決まりがあるのでしょうか?

 一生懸命覚えた地図記号ですが、みなさんがよく閲覧するWeb地図と同じでしょうか?市販の地図と同じでしょうか?学校用社会科地図帳と同じでしょうか?おそらく、似てはいますが、覚えた地図記号と違っているのではないでしょうか。

それもそのはず、地図記号は地図ごとにちがうのです。地図を学ぶ上で重要なことなのですが、教わりましたか?そんなことは知らずに一生懸命暗記したのではないでしょうか。

 さて、教わった地図記号は、国土地理院発行の二万五千分一地形図図式です。ちなみに、地図記号には線状のもの(JR線とか)、面状のもの(湿地とか)もあります。

地理学や防災を研究する人、登山をする人にとって、地形図は必需品であり(一般に広く普及してもらいたいが)、地図記号を覚えておくと効率よく読図ができます。そのため、地理学などに携わる人たちは国土地理院の地形図図式を覚えることが必須なのですが、日常生活で地形図を使うことはないですよね。なので、地図記号は覚える必要がないともいえます。さらに言えば、凡例があるので暗記しなくても大丈夫なのです。地図記号を暗記するよりもむしろ地図を見る時は凡例を確認することのほうが大切なのです。

 でも、一般でも地形図のみならず多種多様な地図が溢れており、その都度異なった地図を活用しなければなりません。それにともない、読図力が必要となるわけで、社会科の授業において読図を学ぶことは大切なことなのです。地図には地名や施設名などの文字情報だけではなく、地表の状態をさまざまな点、線、面の記号によって表現されています。それらの情報を読み取る力を学ぶわけで、それらを記号で多くの情報を適切に表現している国土地理院の地形図が読図を学ぶ上で最適なのです。そのため、効率よく読図できるようになるためにある程度の地形図の記号を覚える必要があるのです。

 また、国土地理院では地形図の地図記号については自由に使うことを承認している(著作権フリー)ので、ほかの地図でも地形図の地図記号のデザインを参照にしていることが多く、地形図の地図記号のデザインが慣用化しているものもあります。神社の鳥居や神社の卍などは多くの地図で採用されていますよね。

問題はただ闇雲に地図記号を暗記させていることで、地図学習において地図記号は以下のように教えていただきたいです。

1)なぜ地図記号(点記号)は地図に必要か。地図記号の効果を考える

2)地図によって記号が異なる(外国の地図と比べる。ほかの地図はどのような地図記号を使っているのか)

3)地図を見るときは凡例を確認し、地図記号は何を示しているのか

4)地形図の地図記号を例として、そのデザインについて調べる

5)地形図を見て、地図記号から地表の状態や人間活動の様子を推測する

 
 
 

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